The World of Organic Agriculture 2020

2020年2月12日、FiBLとIFOAMは世界の農業の動向についての最新の年鑑「The World of Organic Agriculture 2020」を発表しました。内容は2018年末のデータをもとにまとめられています。

主な内容

  • 世界の有機圃場の面積は前年(2017年末)から200万ha(前年の2.9%)増加し、7150万haになりました。世界の農地の1.5%に当たります(前年は1.4%)。増加した200万haは、日本の全ての耕地面積を田んぼと畑で分けると、畑の面積に当たります。
  • 世界の有機飲食品市場は、€966.8億でした。2018年当時の€のレートが、130円前後で推移していたので、€1=130円とすると、12.6兆円になります。ユーロ換算で、前年の€920.7億から約5%の伸びです。

URL:https://www.fibl.org/fileadmin/documents/shop/5011-organic-world-2020.pdf

(リンク切れを修正しました)

8/22 ブータン講演会

さる8/22(木)、稲葉氏によるブータンの有機農業に関する講演会を行いました。稲葉氏はJICAによるブータンへの3年間の有機農業の技術支援の専門家として派遣されてきて、今年がそのプロジェクトの最終年ということで総括的なお話をいただきました。

その中でブータンが有機農業100%を実現するために、特に、以下の3つの課題を挙げ、それぞれについてどう乗り越えてきた(または、今でも乗り越えようとしている)かについてお話いただきました。

①除草剤を使わないイネ作り。➁収穫量1.5倍のイネ作り。③循環型有機農業による自給率向上と地域創生。

①については、ブータンはそもそも敬虔な仏教国であり、殺虫剤の使用についてはもともと強い抵抗感があり、外国を通じて配られた殺虫剤もほとんど使用されなかった過去があるとのことでした。逆に、除草剤の使用量が増えていき、2011年からさかのぼって10年くらいは使用される農薬の大半は除草剤で、その量が年々が増加の一途をたどっていました。そこで稲葉さんは、雑草の発芽条件や生育条件に応じた抑草技術をブータンに紹介し、試験圃場では抑草できた様子が紹介をしていただきました。

➁については、従来からブータンでは陸稲の赤米を栽培していて、収量は多くなかったとのこと。日本のササニシキを持っていき、一本苗で植え、収穫量は場所によっては籾で反当り700㎏を超えたとのこと。昼夜の寒暖差や有機肥料の土壌中の細菌の増加が原因ではないかとのことでした。

➂は、大豆→小麦→イネの輪作を成功させ、大豆を絞った脱脂大豆、大豆粕を肥料に使う循環型農業も実現ができ、地域でそれを使った加工品のトライアルも進んでいるようです。電圧の違いで大豆を絞る機械が壊れた際のブータン側の方のエピソードも面白く、「幸福」の国 ブータンらしく苦労も笑顔に変えて取り組まれているようでした。

ただし、今年でプロジェクトが一度、終わると言っても、まだ継続的に支援する必要性は感じていらっしゃるようです。政府関係者だけでなく人々のなかでうまく広がっていってくれればいいなと思いました。そのためにも稲葉さんのような方の力はまだまだ必要なんだろうなと思わされました。


講演のご案内[8/22(木)]

IFOAMジャパンでは、8/22(木)に「生き物とともに暮らす幸せの国-ブータン王国の有機農業100%への挑戦」と題し、NPO法人民間稲作研究所の稲葉光國氏をお招きして、ご講演をしていただきます。ご聴講をご希望する方は、ご連絡ください。

ブータンは2012年に国全体の農業を有機農業に転換することを宣言し、以来、様々な試みが行われてきました。稲葉氏は抑草技術や安定多収技術の指導依頼を受け、現地で活躍されています。そのブータンの有機農業の現状について、お話しいただきます。

場所:中央区立環境情報センター

東京都中央区京橋三丁目1番1号 東京スクエアガーデン6階

アクセス:銀座線 京橋駅の3番出口に直結。その他のアクセスについては、http://tokyo-sg.com/access/を御覧ください。

日時:2019年8月22日(木)15:30~16:45

費用:無料 (定員45名)

聴講ご希望の方は、お名前、連絡先を事務局までご連絡下さい。

E-mail  organic@ifoam-japan.net    FAX  03-5400-2273

チラシはこちらからダウンロードしてください。

セミナーのご案内[7/2 (火)]

伊能まゆさんを囲んで下記のとおりセミナーを実施します。ご興味がある方は是非ご連絡ください。

1. 日時  2019年7月2日(火)14:00~17:00

2. 会場  パルシステム連合会 2階会議室

1698527東京都新宿区大久保2丁目2-6ラクアス東新宿

【最寄駅】東新宿駅/新大久保駅

【交通案内】東京メトロ副都心線・都営大江戸線東新宿駅 3分

JR山手線新大久保徒歩10分

3. 目的   最新のIFOAMとFiblが共著するデータによると、日本の全耕地面積に占める有機耕地の割合は0.25%であるのに対し、フィリピン:1.6%、韓国:1.2%、インド:1.0%、中国:0.6%、ベトナム:0.5%となっており、日本は大きく後れをとっています。

アジア地域ではここ数年有機農業が急速に伸びており、また政府だけではなく、民間の活動も多く見ることができます。

IFOAM本部が提唱するOrganic 3.0にもありますが、認証を取得している有機だけでなく、有機にも含まれる側面であるパーマカルチャー、アグロエコロジーなどの観点からも有機の世界を見ていく、広げていくという活動も必要になると考えています。今回は短い期間で来日する伊能さんを迎えて、様々な情報交換、意見交換などの場を持ちたいと考えています。

4. 講師:伊能 まゆ

JVC(Japan Volunteer Center)にて調査員、通訳・翻訳者として開発事業を補佐。その後ベトナム事務所の代表を務める。ベトナム・ハノイにて、任意団体のSeed to Tableを設立。持続的な地域発展、有機農業などの普及に尽力。インドの有機農業団体との交流も深める。

5. 参加費 無料

※参加をご希望される方は、お名前、連絡先を事務局までご連絡下さい。

E-mail organic@ifoam-japan.net、FAX 03-5400-2273

参考:Seed to TableHP

IFOAMアジア総会

2019年6月1日にIFOAMアジアの総会が中国四川省西充県であり、会員であるIFOAMジャパンは総会に出席してきました。IFOAMアジアはIFOAM-Organics Internationalの地域組織(Regional Body)です。今回が4回目の総会の比較的新しい組織ですが、主に地方政府の有機推進と若者向けのトレーニングを主に行っている「元気がいい」組織です。

総会では理事の一部か改選され、日本から今回は非改選だった三好智子さんが副理事になりました。今後の活動は、従来の地方政府や若者のプロジェクトの他、今後、専門家委員や女性のグループという新しいネットワークを組織内に作る計画が示されました。また、組織も大きくなっていて、定款の内容の見直しも行われました。今後の展開が楽しみです。

今回の総会のホストだった中国の西充県は自治体全体を挙げて中国の有機農業のモデルになろうとしている自治体です。有機農業用の施設として 実験農場、 レストラン、展示場、研修施設、茶室などが建設中でした。


有機農業の国へ

中央アジアにあるキルギス共和国が100%有機農業を目指す法案を検討しています。ブータンでも同じように有機農業100%に転換する政策を続けているなか、中央アジアでの国でも有機農業が広がってきています。

https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2019/afea5ac8082250d9.html

(4/2追記)民間でこの法制化を進めてきた BIO-KG Federation of Organic Developmentにメールで確認したところによると、この法制化は4月中に始まるようです。

下記に BIO-KG Federation of Organic Developmentに確認したキルギス共和国の有機農業の法制化に伴う情報をまとめます。

  • 有機農業に転換する理由としては、環境負荷を減らすというのはもちろんのこと、隣国のカザフスタン、ウズベキスタンという農業国には輸出量ではかなわないので、農産物の「質」で競争するとなると有機農業になったとのこと。かといって、輸出だけでなく、国内の市場でも有機農産物が求められてきているのが大きいとのことです。
  • 今後の課題としては、それでもまだ有機農業が市民に浸透していないので、もっと有機農業を浸透させていく必要があるとのことでした。
  • 歴史的にはソビエト連邦時代に多くの化学物質を使用していたが、独立後では化学肥料の使用は減ったが、農家のなかに農薬は化学肥料ほど有害ではないという認識があり、農薬の使用はそれほど減らなかった。
  • 農家のなかには、まだ有機農業をしていない人がいることや、有機農業をしていても「有機農業」であることを認識していない人がいるので有機認証を進めていきたいとのこと。その第1段階として、PGS(参加型認証)を国内向けに始めていきたいとのことです。

農薬を使用しているようですが、 上記のJETROのレポートにあるように、キルギスの冷涼な気候が病虫害が少ないという点も有機農業を進める順風にはなっていると思われます。

有機農業の州

インドのシッキム州を紹介します。シッキム州は、インド東北部にあるヒマラヤ山脈に面した人口60万人ほどの州です。

2003年に州全体を有機農業にすることを宣言し、徐々に化学肥料、化学農薬を減らしていき、ついには州内でそれらを販売することが禁止になりました。その間に堆肥製造や農薬を使用ない防除技術の研修を進めていきまあひた。今では州の全ての圃場が有機認証を受けるに至っていています。

困難や課題はあるようですが、チャムリン首相の強力なリーダーシップのもと有機農業を州の根幹である政策として進めています。これからもこのインドの小さくても大きな一歩を踏み出した州に注目していきたいと思います。

シッキム州の有機農業のHP: https://www.sikkimorganicmission.gov.in/

FAO(世界食糧機関)の「Future Policy Gold Award」をシッキム州が受賞

http://www.fao.org/india/news/detail-events/en/c/1157760/

https://www.ifoam.bio/en/news/2018/10/11/future-policy-award-2018-announces-winning-policies-agroecology-and-sustainable-food

The World of Organic Agriculture 2019

2019年2月13日、FiblとIFOAM-Organics Internationalは、年次刊行物である「The World of Organic Agriculture Statistics and Emerging Trends 2019」を発表しました。

世界全体の2017年有機圃場(転換期間中を含む)は、約6980万ヘクタール(前年比、20%増)、有機食品市場は約970億USドル(現在のレートで換算すると、約10.7兆円、前年比、4.7%増)でした。

有機圃場の増加は世界最大の有機圃場面積があるオーストラリアの伸びが著しく、他の国でも大きく伸びたところがありました(中国、アルゼンチン、ロシア、インド)。世界の有機圃場は全体耕作面積のうち、1.4%を占めます。参考までに、オーストラリアの有機圃場の97%は牧草地です。

ダウンロードサイト(英語)

https://shop.fibl.org/CHde/mwdownloads/download/link/id/1202/?ref=1

オーガニックフォトコンテスト

有機農業の日(12月8日)は、「有機農業を推進に関する法律」が国会で成立して10年を祝って制定された日です。全国で色々なイベントが予定されますが、その一つにオーガニックフォトコンテストがあります。

詳しくは、下記のアドレスで御覧ください。世界のどなたでも応募可能とのことです。

【終了】みんなのオーガニックフォトコンテスト